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海外口座から海外口座へ

先日セミナーにお越しになった方からご質問を受けました
年齢は65歳の方で長く勤められた会社を退職され今年から年金生活の方です
7年ほど前に香港の口座開設ツアーに参加してよくわからないまま口座開設をされたようです
香港のHSBC口座を閉めて今はカンボジアの銀行口座に移してるんだけど、そのうちにカンボジアもダメになるから次を探しておかないといけない、どこか良いところありますか?
という質問でした

疑問に残ることばかりだったのいろいろ質問してみると、香港のHSBC口座の情報が日本の税務所まで来てて仲の良い税理士がその名簿を税務署の人から見せて貰ったとの事
おやおやと突っ込みどころが増えてくるのですが、それで香港のHSBCの銀行口座は危ないのでカンボジアの銀行口座を開設してそちらにお金を移していきましょうとの事でした

まずそのHSBCの銀行口座に入れてるお金が税引き後のお金であれば、やばいお金でも危ないお金でもないわけですし、5000万円以上の海外に金融資産を持つ場合は届け出をすれば良いので特段問題はないと思います
ちなみにご相談されたこの方は30万香港ドル(日本円で420万円くらいかと)を入金されていたようです

そして税務署員から税理士が名簿を見せて貰った等の事が本当にあったのなら大問題ですね
そのうえで海外にお金があることがいけなことだと不安を煽り、その税理士からカンボジアの口座開設のエージェントを紹介してもらったようです

かつて数年前にオフショアの積み立て投資、とくにフレンズプロビデントが一世を風靡した時代に香港で口座開設をされた方は沢山おられます
そしてそのまま放置されてる方も、うまく活用されてる方もおられます

くれぐれも言っておきますが、税金を引いたお金をどこに置こうが外為法が改正されてからは自由です
その金額が条件を上回った場合(現在は5000万円以上)は国外財産調書を当該税務署に提出する必要があります
もし提出が無かった場合や虚偽記載があった場合は1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金。
さらに国外財産から所得などがあった場合は申告をすることが必要で、申告漏れや無申告が発覚した場合はさらに罰金が科せられるという事になります

すなわちきちんと申告をして払うものを払っておけば良いという事になります

今回ご相談受けた事例で申し上げるとアドバイスすべき事項としてはきちんと日本の税制と法律に照らし合わせて、報告や申請を行うべきであるとアドバイスをするのが大事でHSBC銀行がやばいからカンボジアという事では解決にもアドバイスにもなっていないのではないかと思うのです

そしてこの手のお話は本当によく聞く話で、新たなビジネスモデルにもなりつつあります
従来ある口座を閉鎖をするのにもサポート料が発生し、次にお金を送金するサポート料、違う国での口座開設サポート費用、そして活用するためにのサポート費用をつるという形です
そして次に違う国で作っても、またその国が危ない等々と話をして数年おきに違う国での口座開設を周期的に行うことになるのではないでしょうか
俗にいうカモになってしまうことになります

私の意見としては格付けの高い国で流通量の多い通貨を法律を順守して申告が必要なら届け出をして持っておくことが面白くもないかもしれませんが一番資産を失わないのではないかと思っております

最後までお読みいただきありがとうございました

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